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2022.07.11
施工管理は、建設現場でさまざまな管理や調整を行う仕事です。
「休みが少ない」「残業が多い」といったイメージが多いですが、多くのやりがいや魅力がある職業でもあります。
本記事では、施工管理の仕事のやりがいや魅力について詳しく解説していきます。
建設業界への転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
施工管理の仕事とは
施工管理の仕事は、工程・品質・安全・原価の4つを管理することです。
建設工事に係わる全てに関係する役割であり、業務の内容は多岐に渡ります。ここでは、各仕事の内容について紹介していきます。
工程管理
工程の管理では、工事を定められた工期までに完了できるように、スケジュールを管理します。
工事の内容によっては、必要となる工期が異なるため、作業ごとに日数を調整して効率的に進める必要があります。
実務では、工程管理表と呼ばれる表を作成して、工事全体の予定を一目で把握できるようにします。
工程管理表には、「全体工程表」「月間工程表」「週間工程表」「ネットワーク工程表」など、複数の種類があります。
これらの管理表の作成に必要な情報を集めることも、現場監督の重要な仕事の一つです。
品質管理
品質の管理では、材質・寸法・強度・機能などが、仕様書や設計図に記載された品質を満たしているかを管理します。
品質基準の確認では、評価対象ごとに定められた試験方法で行います。
品質に関する記録を残すため、施工写真の撮影や施工記録の記入も行っていきます。
安全管理
安全の管理では、作業者と周辺環境に事故や危険が起こらない、安全な現場環境が保たれるように管理します。
実務では、「KY活動」「5S活動」「ヒヤリハット報告」などを行っていきます。
「KY活動」とは危険予知活動を指し、作業前に危険なポイントは無いか確認します。
「5S活動」とは整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字を指し、安全で効率的な作業環境が保たれるような、仕組みづくりをしていきます。
「ヒヤリハット報告」では、日々の業務の中で「ヒヤリとしたこと」「ハットしたこと」を報告し合い、大きな事故の影に潜む小さな危険を抽出します。
原価管理
原価の管理では、実行予算で想定していた原価と実際の工事で生じる原価を管理します。
実行予算は施工計画などに基づいて算出しますが、実際の現場で生じる原価との間に差異が生じることもあります。
差異が発生した場合、施工計画の見直しや工事業者の変更などの措置を取り、適正な利益を確保すべく調整していく必要があります。
世間からのイメージと現実
施工管理の仕事に対する世間からのイメージは、「きつい・汚い・危険」の「3K職場」と呼ばれることもあり、決してよいものではありません。
しかし、近年の建設現場では、外作業や残業が多いといった「きつい」部分はありますが、「汚い」部分については改善が進んでいます。
そのため、女性の施工管理者や職人さんも増えてきています。
また、「危険」な部分については、高所作業等の一部危険を伴う業務もありますが、安全設備を使用して適切な作業を行うことで、多くの危険は回避することができます。
施工管理のやりがいとは?
施工管理の仕事は、「休みが少ない」「残業が多い」といった厳しい側面もあります。
しかし、施工管理ならではのやりがいや魅力があるのも事実です。ここでは、施工管理のやりがいについて紹介していきます。
ものづくりの楽しさ
施工管理を含めた建設業の仕事は、建物を1から造り上げていくという「ものづくりの楽しさ」を味わうことができます。
完成した建物を見るたびに「この工事は自分が携わった」という実感を得ることができます。
また、完成した建物は地図上に残り、多くの人が利用するという点も大きな魅力でしょう。
世の中への貢献を肌で感じる
建設現場では、仕事を通じて世の中への貢献を肌で感じることができます。
これは、工事の進捗に応じて、仕事の成果が目に見えて分かるためです。
自身が施工管理している工事の進捗が成果そのものであり、自分の仕事がいかに世の中へ貢献しているのかを肌で感じられるのは大きな魅力です。
自分の成長を感じられる
施工管理は多くの仕事、多くの人との関わりを通じて、自分の成長を感じられる仕事です。
大変な部分も多い仕事ですが、一人前になるまで根気強く取り組むことで、それに見合ったやりがいを得られる仕事です。
また、一人で現場をまとめられるような施工管理として成長すれば、それに見合った報酬を得ることもできます。
責任は重いが、達成感も人一倍
施工管理の仕事は、責任が重く大変ですが達成感も人一倍です。
顧客と現場の橋渡しとして多くの調整に苦労することもありますが、得られるやりがいも大きい仕事であると言えます。
また、建設業の仕事は「地図に残る仕事」と言われ、完成した建物は工事が終わった後も多くの人たちが利用していきます。
このような点も、施工管理の仕事の魅力の一つでしょう。
人とのつながりを感じる
作業員とのチームワークにより、人とのつながりを感じられる点も魅力の一つです。
建設現場の仕事は1人ではとてもできないため、多くの人たちと協力して仕事を進めていく必要があります。
施工管理者として多くの作業員をまとめ、作業を指揮していくことは決して簡単ではありません。
しかし、コミュニケーションを取り合いながら、チームワークを築くことで仕事を完成させる喜びは、施工管理の仕事ならではの魅力と言えるでしょう。
大変な部分も多くある
施工管理の仕事は、多くのやりがいと魅力がありますが、大変な部分もたくさんあります。
「きつい、汚い、危険」の「3K職場」と呼ばれることもあり、ネガティブな印象を持つ人も少なくありません。
ここでは、施工管理の仕事における大変な部分について紹介していきます。
環境の悪さ
施工管理の仕事では、労働環境は決して良いとは言えません。
外仕事が多く、真夏の現場では、炎天下の作業や空調が効いていない現場での作業も多くあります。
作業服は通気性が悪いものが多く、熱中症対策が欠かせません。
真冬の現場では、寒さ対策や事故や怪我を防ぐために凍結対策をする必要があります。
冬場に起きやすい事故について把握し、職人さんたちと共有していくことが大切です。
また、残業が続くことで十分な睡眠時間が確保できなかったり、夜勤などで生活が不規則になったりする点も、労働環境の悪さに繋がっています。
商業施設や工場などの施設での工事は、昼間の営業時間を避けて夜間に作業するケースが多くなります。
人間関係の難しさ
施工管理は発注者と現場の間に立つ仕事のため、両社の調整に苦慮することも少なくありません。
顧客の要求と現場の状況とのバランスを考慮した調整には、高いコミュニケーション能力が必要となります。
また、現場でのコミュニケーションは、多くの施工管理者が大変と感じるポイントの一つです。
建設現場ではさまざまな年代の人が従事しているため、自分よりも経験値が高いベテランの職人さんと働く機会も多いです。
職人さんによっては、口調が厳しい人や、雰囲気が怖い人もいるため慣れるまでは悩むことも多いかもしれません。
建設現場では、信頼関係を構築し、円滑にコミュニケーションを図ることが非常に重要となってきます。
危険な業務
施工管理を含めた建設業では、工事現場で仕事をするため常に危険が伴います。
過去の災害事例から多くの安全対策が講じられていますが、危険を完全に避けることはできません。
施工管理は、安全を管理することも重要な仕事の一つです。
過去の災害事例から危険の種類を学び、対策・予防策を考えて働く人々の安全をしっかり守る現場を作るようにしましょう。
重い責任を伴う
施工管理は、工事に関する工程・安全・原価・品質を全て管理する仕事です。
工事を円滑に進め、的確な指示を出さなければならないため、重い責任が伴います。
工事が期日どおりに安全に進められるかは、現場をまとめる施工管理技士の手腕にかかっています。
それでも続けた結果
施工管理の仕事は、やりがいが多い反面、大変な部分もたくさんあることが分かりました。それでも、施工管理の仕事を続けた結果、どのようなことが得られるのでしょうか。
生活が安定する
建設業の仕事は、経験年数や資格・役職によって収入がアップします。
根気強く仕事を続け、必要資格を習得することで生活が安定していきます。
実務経験を重ね、2級施工管理技士や1級施工管理技士の資格を取得することで、ステップアップしていくことができます。
自分の成長を実感する
施工管理士として多くの現場を経験していくことで、自分の成長を肌で実感することができます。
少しずつ担当する工事の規模が大きくなったり、業界内で顔を覚えてもらったりすることで、自身の努力が報われたと感じることも多いです。
起業することができる
経験を重ね人脈を構築することで、起業して独立する施工管理士もいます。
軌道に乗るまでは収入が不安定ですが、努力次第では大きく業績を伸ばすことができる可能性があります。
しかし、経営者としての鋭い判断力や交渉力が求められるため、会社員として経験を積む中で、必要とされる能力を身に着けていく必要があります。
人との信頼関係を築くのが上手になる
施工管理は、顧客と現場の橋渡しとして多くの調整をしていく仕事です。
慣れないうちは、両社の板挟みとなり苦労することも多いですが、経験を積むに連れて人との信頼関係を築くことが上手になっていきます。
これは単に建設業界で働くことだけではなく、実生活のさまざまな場面で活かすことができる財産となります。
まとめ
本記事では、施工管理のやりがいや魅力について解説してきました。
施工管理の仕事は、やりがいが多い反面、厳しい部分も数多くあります。
しかし、根気強く仕事に取り組むことで、得られる成長や喜びは人一倍大きいです。
また、社会的な需要も高く、今後も活躍できる可能性が高い仕事と言えるでしょう。
建設業の仕事内容に興味を持った方や、自身に適性があり挑戦してみたいと思った方は、ぜひ施工管理を目指してみましょう。