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2022.06.10
土木や建設から機械の製造に至るまで、日本のものづくりにおいてCADによる設計は欠かせません。CADオペレーターはデスクワークの仕事の中でも人気の職種の一つですが、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。本記事では、CADオペレーターの仕事内容や魅力について詳しく解説していきます。建設業界に従事されている方や、資格の取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
CADとは
CADとはComputer Aided Designの略称です。日本語では「コンピューター支援設計」と訳され、パソコンを利用して設計図を描くことができるシステムのことを指します。CADを使用することで、製図を比較的容易に行うことができるようになりました。また、仕様変更に伴う修正も素早く行えるため、製図にかかる時間が手書きに比べて大幅に短縮されました。図面の保存もデータで行うため管理や共有がしやすくなり、チームで行うような仕事であっても作業効率が格段に向上しました。CADは、建築物や製品など、図面が必要となる幅広い業界で使用されています。
CADには2種類ある
CADには、2次元CADと3次元CADの2種類があり、図面の用途により使い分けられます。2次元CADは、平面図や立面図、断面図など、2次元で立体を表現する際に使用します。手書きによる製図と、同じ要領で製図をすることができます。
3次元CADは立体の製図を行う際に使用します。作成した図面は全角度から確認することができます。2次元CADでは表現が難しい曲線が多いデザインを具現化したり、視覚的にイメージしやすい図面を描いたりすることができます。
CADオペレーターの仕事内容
CADオペレーターの仕事内容は具体的にどのようなものでしょうか。ここでは、CADオペレーターの主な仕事内容や、必要な資格や能力について解説していきます。また、CAD設計士との違いについても併せて説明します。
主な仕事内容
CADオペレーターの主な仕事内容は、設計士やデザイナーなどの指示に従い、CADソフトを使用して図面を作成・修正・管理することです。図面の作成では、設計士やデザイナーが考えた形を、CADを使用して正確に製図します。
製図作業はCADオペレーターのメイン業務であり、仕事の正確さとスピードが求められます。図面の修正では、建物や製品の工程に合わせて図面の精度を高め、仕様変更などを何度か行い完成形を目指します。図面の管理では、作成した図面データを管理し必要な時にすぐに確認できるようにします。
図面を引き渡したからといって終わりではありません。また、文書作成・仕様書作成・電話応対などの一般的な事務作業を行うこともあります。
必要な資格や能力
CADオペレーターとして働くうえでは、特別な資格を取得する必要はありませんが、CADソフトの基本的な扱い方や、設計・製図の基礎知識が求められます。
ただし、設計やデザインなどの作業は設計士やデザイナーが担当するため、専門的な知識が少なくても問題ありません。CADオペレーターには、設計士やデザイナーの意図や要望を把握する理解力と、それを具現化する技術力です。そのため、細かい作業を行うための集中力や正確さ、コミュニケーションスキルが求められます。
CAD設計士との違い
CADオペレーターとCAD設計士には、業務内容に大きな違いがあります。CAD設計士に求められるのは、形状などを決定するための設計能力です。製図だけではなく、製造物に関する専門知識や法律を学ぶ必要もあるため、安全性や環境負荷などを総合的に考えていく必要があります。
これに対して、CADオペレーターに求められるのは、設計者が考えた形を図面やデータとして具現化する技術です。図面の作成は集中力を要する作業であり、正確かつスピーディーに作業を行っていくことが求められます。
CADオペレーターの魅力
ここでは、CADオペレーターとして働くことの魅力について紹介していきます。CADオペレーターは、さまざまな業界で需要が高く、幅広い働き方を選択することができる職種です。
さまざまな分野で活躍できる
CADオペレーターは、建築・土木などの建設関連会社、自動車や飛行機などの輸送機器メーカー、家電・電子部品メーカーなど、さまざまな分野で活躍することができます。幅広い分野で需要が高く、活躍できるチャンスがあるため、興味や関心のある業界を選びやすいという点も魅力でしょう。
在宅や独立することも可能
CADオペレーターは就業形態が幅広い点も魅力です。在宅勤務として働くことで、ワークライフバランスを充実させることも可能です。また、実務経験を積み重ねることで、将来的には独立して働くこともできるでしょう。
将来性
CADは建設業や製造業など幅広い業界で必要とされており、今後も需要の拡大が期待できます。AIによる代替なども懸念されてはいますが、複雑な作業はまだまだAIにはできません、特に3次元CADは高い知識と専門性が求められるため、技術を習得することでCADオペレーターとしての将来が開ける可能性があるでしょう。
CADオペレーターに向いている人
CADオペレーターになるためには専門的な知識も必要になります。CADオペレーターの仕事はどのような人が向いているのでしょうか。ここでは、CADオペレーターの適性があるとされる特徴について紹介していきます。
正確で几帳面な人
CADによって作成された図面は、設計者から製作者まで製品に関わるすべての人に共有されます。図面に間違いがあると、設計者の意図が正確に伝わらないだけでなく、製品の不良などに繋がるリスクもあります。仕事を正確で几帳面に行えることは、CADオペレーターに求められる重要なポイントです。
スピード感も必要
CADオペレーターは、設計者のアシスタントとして位置付けられることが多いです。そのため、スピード感をもって設計者の依頼に対応することで、設計者との信頼関係を深めることができるでしょう。
集中・忍耐力
CADオペレーターの仕事は地道な作業の繰り返しです。そのため、パソコンの画面に向かい作業を続けられる集中力や忍耐力も必要となるでしょう。
CADオペレーターを目指すには
CADオペレーターを目指すには、どのようなことが必要になるのでしょうか。ここでは、取得しておくと有利となる資格についても併せて紹介していきます。
知識や技術を身に付ける
CADオペレーターになるためには、基本的なPC操作の他、CADソフトウェアの操作技術や製図知識について身に着けるとよいでしょう。このような知識は独学でも身に着けることは可能ですが、大学や短大・専門学校へ進学して習得するのが一般的です。また、ハローワークなどで実施している公共職業訓練・求職者支援訓練などでも習得することが可能です。
CAD関連の資格を取得する
CADオペレーターとして働くうえで、知識や技術の証明に有効な検定試験がいくつかあります。資格の取得は必須ではありませんが、知識や技術を客観的に証明することが可能となり、就職活動や転職活動で有利に働くでしょう。CADの検定試験には、「2次元CAD利用技術者試験」「3次元CAD利用技術者試験」「建築CAD検定試験」などがあり概要は下表の通りです。
資格名 | コース | 合格基準 | 主催 |
---|---|---|---|
2次元CAD利用技術者試験 | ・2次元CAD利用技術者試験基礎(IBT) | 正解率70%以上 | 一般社団法人コンピュータ教育振興協会 |
・2次元CAD利用技術者試験2級(CBT) | |||
・2次元CAD利用技術者試験1級(建築・機械・トレース) | |||
3次元CAD利用技術者試験 | ・3次元CAD利用技術者試験2級 | 各分野の正解率50%以上 総合正解率70%以上 |
一般社団法人コンピュータ教育振興協会 |
・3次元CAD利用技術者試験準1級 | |||
・3次元CAD利用技術者試験1級 | |||
建築CAD検定試験 | ・建築CAD検定試験4級 | 正解率90% | 一般社団法人全国建築CAD連盟 |
・建築CAD検定試験3級 | 正解率70% | ||
・建築CAD検定試験2級 | 正解率50% | ||
・建築CAD検定試験準1級 | 正解率30% |
まとめ
本記事では、CADオペレーターの仕事内容や魅力について解説してきました。CADオペレーターは幅広い業界で活躍可能であり、多様な働き方を選択することができる職種です。企業からの需要も高く、今後も活躍できる可能性が広くなっていく仕事と言えるでしょう。CADオペレーターの仕事内容に興味を持った方や、自身に適性があり挑戦してみたいと思った方は、ぜひCADオペレーターを目指してみましょう。