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土木施工管理技士とは?資格の特徴から仕事内容まで押さえよう

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2022.03.31

土木施工管理技士とは?資格の特徴から仕事内容まで押さえよう

土木工事は、橋や道路・鉄道・上下水道など、暮らしを支える重要な建設工事です。土木施工管理技士とは、土木工事のスペシャリストとしての国家資格ですが、資格や仕事の内容はどのようになっているのでしょうか。

本記事では、土木施工管理技士の概要や仕事内容、気になる年収について解説していきます。これから土木施工管理技士の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

土木施工管理技士とは?

土木施工管理技士とは、施工管理技士を担う国家資格のうち、土木工事に特化した資格です。

土木工事における施工計画の作成や、建設現場での作業工程・品質や安全面、費用面といったあらゆる管理を行います。ここでは、土木施工管理技士の主な仕事について紹介します。

主な仕事

土木施工管理技士が携わる仕事は数多く存在します。一例として、道路・河川・トンネル・ダムなどがあり、現場によって作業が異なることも多いです。その際に、現場の計画を立てる重要な役割を担うのが土木施工管理技士なのです。現場がスムーズに進行できるように、スケジュールを立て調整を図ります。

その他、工程管理・品質管理・作業員の安全管理なども行い、土木現場の主軸となる重要な職業です。

土木工事全般の施工管理は「忙しい」って本当?

近年の建設業界では、働き方改革が進み労働環境が改善されつつありますが、施工管理の仕事は決して楽ではありません。建設工事の現場では、天候や資材の到着状況など、多くの不確定要素に左右されます。その中で、工期に間に合わせるためには残業や休日出勤が生じることもあり、労働時間が長くなる傾向にあります。

また、工程・原価・品質・安全の管理においては、業者との打ち合わせや書類作成などのデスクワーク、役所への手続きなども含まれており、仕事内容は繁雑かつ膨大です。

資格について

ここでは、土木施工管理技士の概要や受験資格について紹介していきます。試験を受けるためには、事前にこれらの概要を知っておく必要があります。

1級と2級では内容が少し異なるため、確認しておきましょう。

1級と2級で分かれる

土木施工管理技士は1級と2級に分かれています。取得した土木施工管理技士の資格のうち、1級は監理技術者1級又は2級であれば主任技術者として認められます。

監理技術者は、請負代金総額が4,000万円以上(建築一式の場合は6,000万円以上)の下請契約で配置が必要となり、それ以外の現場では主任技術者を配置する必要があります。

受験内容

土木施工管理技士の受験は、一次検定は1級と2級のどちらもマークシート方式で行われます。1級は96問の出題の中から65問を選択して解答2級は61問の出題の中から40問を選択して解答します。必要解答数のうち、60%以上正当することが合格ラインです。合格ラインは、年度で補正されることもありますが、大きく変わることはなく、比較的予測しやすいのが特徴です。

出題分野は「土木一般」「専門土木」「法規」「共通工学」「施工管理法」と幅広く、全ての分野を取り入れて勉強する必要があります。二次検定では全て記述式となり、一次検定同様に幅広い分野から出題されます。尚、土木施工管理技士の受験には実技はありません。

受験資格が異なる

土木施工管理技士の受験資格は、1級と2級で異なります。試験には一次検定と二次検定があり、それぞれ受験資格が設けられています。自身が受験資格を満たしているのかを予め確認しましょう。1級・2級土木施工管理技士の受験資格について、下表でまとめていきます。

【1級土木施工管理技士・一次検定】

区分 学歴/資格 実務経験年数
(指定学科)
実務経験年数
(指定学科以外)
A 大学卒業者
専門学校卒業者 ※高度専門士に限る
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者 ※専門士に限る
卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
高等学校
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者 ※高度専門士・専門士を除く
卒業後10年以上 卒業後11年6ヶ月以上
その他の者 15年以上
B 高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者 ※高度専門士・専門士を除く
卒業後8年以上の実務経験(実務経験には、指導監督的実務経験を含み、かつ5年以上の実務経験の後、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む)
C 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者 高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者
※高度専門士・専門士を除く
卒業後8年以上 卒業後9年6ヶ月以上
その他の者 13年以上
D 2級合格者

【1級土木施工管理技士・二次検定】
・1級土木施工管理技術検定・一次検定の合格者
・上記「D」に該当をして一次検定に合格し、「A~C」もしくは以下(1、2)に該当する者
・一次検定免除者

区分 学歴/資格 実務経験年数(指定学科) 実務経験年数(指定学科以外)
1 2級合格後3年以上の者 合格後1年以上の指導監督的実務経験と専任の監理技術者の指導を受けた実務経験が2年以上を含む3年以上
2級合格後5年以上の者 合格後5年以上
2級合格後5年未満の者 高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者
※高度専門士・専門士を除く
卒業後9年以上 卒業後10年6ヶ月以上
その他の者 14年以上
2 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者 2級合格者 合格後3年以上の者 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上
合格後3年未満の者 短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者
※専門士に限る
卒業後7年以上
高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者
※高度専門士・専門士を除く
卒業後7年以上 卒業後8年6ヶ月以上
その他の者 12年以上

【2級土木施工管理技士・一次検定】
資格試験の実施年度において、満17歳以上になる方

【2級土木施工管理技士・二次検定】
・2級土木施工管理技術検定・一次検定の合格者で、下記のいずれかに該当する者
・一次検定免除者

学歴 実務経験年数(指定学科) 実務経験年数
(指定学科以外)
大学卒業者
専門学校卒業者
※高度専門士に限る
卒業後1年以上 卒業後1年6ヶ月以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者
※専門士に限る
卒業後2年以上 卒業後3年以上
高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者
※高度専門士・専門士を除く
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
その他の者 8年以上

土木施工管理技士は国家資格

建設業は人手不足が課題となっている業界です。多くの企業が人材を積極的に採用している業界ですが、国家資格である土木施工管理技士を取得していることで、さらに転職活動を有利に進めることができるでしょう。中でも、1級土木施工管理技士を求めている企業が多いので、資格取得の際には1級を視野にいれることをおすすめします。

土木施工管理技士の資格を取得するメリット

土木施工管理技士の資格取得には、いくつかのメリットが存在します。これらのメリットが知っておくと、資格取得のモチベーションアップにも繋がるかと思います。ここでは、土木施工管理技士を取得するメリットについて紹介していきます。

社内での昇給や昇進で有利

土木施工管理技士の中でも、特に1級は最高位の資格として認められています。資格取得後は、社内での昇給や昇進が期待できます。

また、土木施工管理技士の資格を保有していることで、国からの技術評価点を得ることができます。1級の場合は5点、2級の場合は2点が加算されるため、社内でも高く評価されることでしょう。

需要が高まっているので将来性がある

近年、土木現場では人材不足が課題となっています。土木施工管理技士の資格保持者は多くの企業が求めており、需要が高まっています。また、土木工事の営業所には、専任技術者を配置する必要があります。土木施工管理技士の有資格者となることで、専任技術者の要件を満たすことができます。

特定建設業は1級のみ、一般建設業は1級又は2級取得者が対象です。専任技術者の配置は義務であるため、資格保有者は継続的に必要とされる人材であるといえます。

土木施工管理技士の年収は?

土木施工管理技士の年収はどれくらいなのでしょうか。資格を取得することで実際に貰える給料はどのくらいになるのかは、気になるところではないかと思います。ここでは、土木施工管理技士の平均年収や年収をアップするコツについて紹介していきます。

資格で異なる年収

土木施工管理技士は1級と2級があり、1級では全ての土木工事で働けるため年収が高く、業務内容が限定される2級は年収が低いという傾向があります。
1級では、全ての土木工事において、監理技術者と主任技術者の両方を担うことができます。

一方、2級では「土木・鋼構造物塗装・薬液注入」の3種類にわかれており、主任技術者として施工管理に携わることができるのは、合格した分野に限られます。

年収に差が出やすい

土木施工管理技士の全体的な平均年収は、約480万円というデータがあり、全業種の平均年収と比べるとやや高めです。中でも、1級を取得すると資格手当などによる昇給や昇進により、年収450~700万円以上と平均より高くなります。

一方、2級では300~600万円前後が相場と言われています。 ただし、現場での経験や知識によっては資格に関係なく年収がアップする可能性もあります。

給料・年収をアップするコツ

給料・年収をアップするためには、経験を積み保有資格を増やしていくという方法があります。土木施工管理技士をはじめとする国家資格では、受験資格に実務経験年数が設けられていることが多いです。現場での経験を積むことで、受験資格を満たすだけではなく、資格に見合った知識や技術が身に付きます。

会社から必要な人材として認められることで、給与のアップにも繋がるでしょう。また、建設業の会社の多くが土木施工管理技士のような国家資格の保有者に対して資格手当を支給しています。保有資格を増やしてスキルアップを図ることで、収入の増加を見込むこともできるでしょう。

まとめ

本記事では、土木施工管理技士の概要や仕事の内容について解説しました。土木施工管理技士の取得は社内での昇給・昇進が期待でき、転職活動をする上でも有利になります。現場仕事を行なう方にとっては、業務に生かせる資格であるため取得して損はありません。土木施工管理技士は1級と2級がありますが、上位資格である1級土木施工管理技士の取得を視野に入れるとよいでしょう。

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