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建設業経理士とは?仕事内容と資格取得についてまとめました

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2022.09.27

建設業経理士とは?仕事内容と資格取得についてまとめました

建設業経理士とは、建設業界における財務や経理の専門知識を有していると認められた人に与えられる資格です。

一般経理とは異なり、会計に関する知識以外にも建設業に対する理解が求められます。

本記事では、建設業経理士の概要や仕事内容、資格取得の方法について解説していきます。

建設業界に従事されている方や、これから建設業経理士の資格取得を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

建設業経理士とは

建設業経理士とは、建設業界における財務や経理の専門知識を有していると認められた人に与えられる資格です。

一般財団法人建設業振興基金が試験を実施しており、各レベルに応じた試験に合格することで資格を取得できます。

ここでは、建設業経理士の概要について解説していきます。

建設業に特化した経理のプロ

建設業経理士は、建設業に特化した経理のプロです。

建設業では、工事の着工から引き渡しまで1年以上かかることが多いため、業界特殊性を考慮して作られた建設業会計と呼ばれる会計制度によって処理が行われます。

建設業経理士は、通常に会計知識に加えて、建設業会計に関する専門知識も習得した経理のプロなのです。

普通の簿記資格と何が違うの?

普通の簿記資格は、業種を問わず簿記会計に関する一定の知識を有すると認められた人に付与される資格です。

これに対して、建設業経理士は前述した建設業会計に関する専門知識を取り扱う資格です。

建設業界で活躍したい方にとって、建設業経理士は普通の簿記資格以上に実践的で役立つ資格と言えるでしょう

建設業経理士資格は1〜4級がある

建設業経理士資格は1~4級に区分されてり、このうち3~4級は建設業経理事務士と呼ばれます。

4級では最も初歩的な知識が問われ、簿記の基本的な仕組みを理解していれば合格することができるでしょう。

3級では初歩的な実務を担当できる程度の知識が必要とされます。具体的には、基礎的な建設業簿記や原価計算を習得している必要があります。

2級ではより実践的な実務を遂行可能な知識が求められます。実践的な建設業簿記や原価計算に加え、企業会計に対する理解も必要です。

そして、最も難易度の高い1級では高度な専門知識により、実務をこなせる知識が求められます。

合格するためには、建設業原価計算、財務諸表、財務分析などの習得している必要があります。

建設業経理士の仕事内容は?

建設業経理士は一般経理とは異なり、建設業の専門知識が必要となります。

仕事内容としては他の経理職と大きく変わりませんが、建設業ならではの会計ルールが存在するため専門的な知識が必要となります。

ここでは、建設業経理士の仕事内容について紹介していきます。

建設業独自のルールに従って会計処理をする

建設業の経理と一般経理とで仕事内容は大きく変わりません、しかし、建設業界独自の会計ルールが適用されるのが、一般経理と異なる点です。

建設業では受注から製品の引き渡しまでの期間が長いという特徴があり、建設業会計と呼ばれる方法によって独自の会計処理が行われます。

そのため、建設業経理士は建設業に関する専門知識が必要とされる職種となっています。

建設業経理士のやりがいは?

建設業経理士のやりがいには、専門知識を使って仕事ができるという点があります。

一般経理と比較して建設業の経理は高い専門性が必要とされます。

そのため、建設業に関する知識を持ち合わせている方や、専門知識を学びたいと考えている方にとって最適な職種です。

建設業経理士は、専門知識を身に付け、スキルアップしながら仕事をしていきたいという方にとって、やりがいの大きい仕事です。

また、建設業界は仕事の成果が形に残る特徴があります。街中を歩いている際に、自社で建築し完成したビルなどを見つけると、仕事のやりがいを大きく感じます。

建設業経理士は、補助間接部門の立場から建物を作るという仕事に貢献できる職業です。

建設業の需要拡大にともなってニーズも増えている

建設業は、今後も需要拡大に伴ってニーズが増えてくることが予想される業界です。

建設業の需要拡大が予想される理由には大きく3つあり、1つ目に老朽インフラの維持需要が挙げられます。

高度経済成長期に建築されたインフラは軒並み老朽化が進んでおり、維持修繕の仕事が増加傾向にあります。

インフラの老朽化は回避することができないため、今後も長期的な需要が見込まれます。

2つ目に、災害復旧工事の需要が挙げられます。日本は災害大国と呼ばれ、近年も大雨や地震・台風などにより日本全国各地で被害が発生しています。

これらの災害被害に対する復旧工事も、建設業界では需要の大きな仕事です。

また、土砂災害への対策や耐震性の高い建物の建築など、災害復旧だけではなく災害防止の観点からも仕事が増えてくるでしょう。

3つ目には、個人住宅関連の需要が挙げられます。住宅市場は減少傾向にはありますが、マイホームに対する需要はまだまだ大きな市場の1つです。

人口減少とともに全体の市場は減ってきてはいますが、今後も無くなることはない市場と言えるでしょう。

建設業経理士の資格取得について

試験スケジュールと試験内容

建設業経理士の、受験申込から合格発表までの試験スケジュールは下表のようになっています。

上期試験 下期試験
試験日 9月上旬の日曜日 3月上旬の日曜日
受験申込期間 5月中旬~6月中旬 11月中旬~12月中旬
受験票の発送 8月中旬 2月中旬
合格発表 11月中旬 5月中旬

また、1級と2級の試験内容は下表のとおりです。1級は財務諸表、財務分析、原価計算からなる科目合格制をとっており、有効期限内に3科目すべて合格することで1級資格者となります。

 

内容 程度
1級 建設業財務諸表、財務分析および原価計算 上級の建設業簿記、建設業原価計算および会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成およびそれに基づく経営分析が行えること。
2級 建設業の簿記、原価計算および会社会計 実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること。

 

 

建設業経理資格試験の難易度は?

建設業経理士の難易度については、3級の合格率は60%程度で推移しており、建設業経理士試験の初学者の方でも合格を目指しやすいです。

2級の合格率は30~60%の間で推移しており、3級に比べてやや難易度が高くなっています。

1級の各科目の合格率はいずれも25~30%程度で推移しており、高度な専門知識が必要とされるため科目合格を目指す場合あっても十分な対策が必要です。

参考資料として、1級と2級の受験者数と合格率を下表にまとめます。

 

  第28回
[令和3年3月14日]
第29回
[令和3年9月12日]
第30回
[令和4年3月13日]
1級財務諸表 受験者数 1,860 1,728 1,805
合格者数 408 481 368
合格率 21.9% 27.8% 20.4%
1級財務分析 受験者数 1,523 1,459 1,424
合格者数 317 542 334
合格率 20.8% 37.1% 23.5%
1級原価計算 受験者数 2,022 2,033 1,876
合格者数 226 503 225
合格率 11.2% 24.7% 12.0%
2級 受験者数 8,766 9,318 9,288
合格者数 3,600 3,678 4,163
合格率 41.1% 39.5% 44.8%

 

簿記資格と建設業経理資格ではどちらが難しい?

一般簿記に関する知識が問われる日商簿記検定の2級と、建設業経理士2級を比較した場合、建設業経理士2級のほうが難しい傾向にあります。

これは、建設業経理士2級を取得には、日商簿記検定2級で問われるような会計知識に加えて建設業会計の知識も必要とされるためです。

建設業経理士は入札の際に加点対象になる

建設業経理士は、2級以上の有資格者は公共事業の入札の際に必要な経営事項審査において加点対象になります。

そのため、建設業界では従業員に建設業経理士の資格取得を促している企業も多いです。

企業によっては、昇給や昇進の評価基準として建設業経理士の資格取得を定めている場合もあります。

建設業経理士の資格取得は、社内での昇給・昇進や転職活動において有利に働く資格と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、建設業経理士の概要や仕事内容、資格取得の方法について解説してきました。

建設業界で働く方にとって、建設業経理士を取得することは多くのメリットがあります。

受験資格は特に定められておらず、モチベーションを維持して勉強時間を確保し、地道に参考書や過去問を解いていくことで合格を目指すことができる資格です。

建設業界で経理業務に従事されている方は、将来のキャリアアップを視野に入れ、ぜひ資格取得に挑戦してみましょう。

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